festival
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 空也は不安を感じていた。
 半年も前からインターネット上で流れている不思議な情報……それが不安の元だった。
「犯罪ワールドカップが、近々開催される」
 そんな噂だった。
 もちろん、確実な情報ではない。しかしその噂は、日本中、いや、世界中のホームページで、伝言板で、チャットで囁かれていた。いくら調査しても、その発信源は杳として知れない。噂が、まるで山脈を浸食する氷河のように広がっていった。
 ただ一つ確実なのは、犯人の名前だけだ。彼(彼女?)は「ビリオン・キラー」と呼ばれている。

 気にするほどのことはないのかもしれない。しかし、空也はなぜか、この噂を聞くと耐えようのない不安に襲われるのだ。
 犯罪ワールドカップ……。
 一体、どんなワールドカップだというのだろう?
 誰が、何のために開催するというのだろう?
 もちろん、今ここで答が出るはずもなかった。

 空也の乗った南海特急「ラピート」は、まもなく関西国際空港に到着する。
 犯罪ワールドカップ……。
 日本四大悲劇の一つ、「ドーハの悲劇」と関係はあるのだろうか?




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