「「コズミック」殺人事件」殺人事件
阿東
誰もがその死体に注目していた。大通りの歩道で倒れている私を。
私の手には1枚の紙が握られている。
顔の醜いオヤジがその紙を抜きとった。
やめてよ。変死体を勝手にいじってもいいの?
それにあんたには触られたくない。どうせなら、そこの電柱の横の彼がいいわ。
「何だ、これは?」
オヤジが疑問の声を放つ。
そこには1編のショート・ショートが書かれていた。
「「コズミック」殺人事件?」
オヤジの周りにいた人がのぞき込み、口々に言う。
「「コズミック」って何だよ」
「知らねー」
あんた達には、到底私の死因なんて解らないでしょうよ。
街で何気なく拾った一枚の紙。
「コズミック」ファンの私には打撃が大き過ぎたのよ。
…そういえば、さっきの電柱の彼はあの本の著者近影にそっくりだったような気がする。
あと30分早く出会えたらよかったのに。
惜しいことをしたわ。
(この物語はフィクションです。実在の人物、書物らしきものがでてきても、それはあなたの目の錯覚です(多分)。くれぐれも目はお大事に。ピンポーン)
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