すべてが〇になる

竹田 寿之

すべてがWになる(その1)

彼は久しぶりに院生室と4年生控え室を訪れてみた。みんな個人持ちの
パソコンを持ち込んで論文の最終仕上げをしている。
マックユーザーの彼はふっとため息をつき、ぼそっと呟いた。
「すべてがW…Windowsになってる」


すべてがWになる(その2)

『これ、メールで送るんだけど、フォーマットをここに書いてある
とおりに整えておいてくれないかな。』肩ごしに師匠の声がした。
フロッピーを受け取り、ちらりと拡張子に目を走らせると、
重いワープロが嫌いな彼はふっとため息をつき、ぼそっと呟いた。
「すべてがW…Wordになってる」


すべてが空白になる

もう一度読みたくなったので、帰省したとき、実家においてきた
森作品を送リ返してもらった。
タイトルが「すべてが になる」になってしまっていた。
(これだけはノンフィクションです)


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