「鏑矢正伝さん、ごめんなさい。
『漫才マンガ三昧』
リンクしとくので許してください。あ、そうだ、ついでにワイロも5票入れておこう。ぽちぽちぽちぽちぽち」
「なんだよそりゃ。謝るくらいなら最初からやるなって」
「しかたないだろ、急に漫才がやりたくなったんだから」
「昨日、熱く語り過ぎた反動か?」
「ちっちっ。熱く語るのが俺の本性であり、こうやってギャグやってるのは世を忍ぶ仮の姿なんだから」
「なんだか、九割方世を忍んでるような気がするぞ」
「いいんだよ、今までのはツカミなんだから。ゲーテも言ってるぞ、『ツカミを軽視することなかれ』って」
「‥‥ゲーテは言ってないと思う」
「しっ。黙っときゃバレないのに」
「バレるって」
「大体、『ゲーテはすべてのことを言った』って言葉もあるくらいで、こういう格言のたぐいはゲーテが言ったことにしておけばハクがつくんだから」
「あ、また、誰かさんの嫌いなうんちくネタが‥‥」
「誰が嫌いだって? 出てこい、コラ」
「あおるなって」
「とにかくさあ、俺は、ギャグも熱く語るのも、両方やりたいの! だから、その日の気分によって使い分けてるわけ」
「そんなことだから、一貫してないって言われるんだぞ」
「いいの! 首尾一貫していないという点では首尾一貫してるんだから。首尾一貫してたりしてなかったりするよりは、はるかにマシだぞ」
「‥‥わかったような、わからんような」
「それはそれとして、今気づいたんだけどさ」
「なに?」
「漫才形式で書くのって、すごく楽だぞ」
「う。それを言っちゃあおしまいよ。まさか、明日からずっと漫才でやるんじゃ‥‥」
「それはさすがにしないけど‥‥ああっ、しまった! マクラが長すぎて、ネタを入れる余地がない!」
「え? これ全部マクラだったの?」
「そう。ニーチェも言ってるぞ、『マクラを軽視することなかれ』って」
「今度はニーチェか‥‥」
「そういうわけで、今日はネタが書けないのです。また明日」
「それがオチかい!」
「明日はまた、熱く語るからねー」