第99回   服部緑地 1997.1.8


 昨日に続いて、大阪の観光案内である。

 服部緑地は、大阪は豊中市にある公園だ。甲子園球場の約33倍という広大な園内には、日本の古い民家を集めた民家集落博物館や植物園、野鳥が集まる池や家族でにぎわう広場など変化に富んだ自然が広がっていて、休日をゆったり過ごすのにぴったり。スポーツ施設もある。
 ‥‥などと、あいかわらずガイドブックを丸写ししたようなことを書いてしまったが、今日は一人でやってきた。釣りをしようと思ったからだ。なぜ釣りをしようと思ったかというと、冷蔵庫に魚がなかったからである。ホントに一匹もなかった。アジもホッケもない、ということだ。

 車を駐車場に入れると、私は釣りざおを持って歩き出した。目指すのは「山の池」、ここが釣りには最高の場所だ。

 そこには先客がいた。三平である。そう、あの『釣りキチ三平』が来ていたのだ。この秘密のスポットを見つけるとは、さすがである。そして当然ながら、魚紳さんとユリッペも来ていた。
 しかし、三平たちは釣りなどしていなかった。こともあろうに、池のほとりでセックスをしていたのだ。しかも三人で。釣りキチ3P、というやつだ。

 私は三平たちを横目に見ながら、糸を垂れた。しかし、魚がかかる様子はまったくない。
 まったく釣果のないまま数時間が過ぎた。空を見ると、だんだんと曇ってきている。岸ではアマガエルが鳴き出していた。カエルが鳴くと雨が降る、というが、どうやら本当に降りそうだ。釣りはあきらめて、帰った方がいいかもしれない。帰ろかな、カエルの予想かな、ということだ。

 結局、私は帰ることにした。一匹も釣れなかったが、けっこう面白かった。今日は楽しいヒマな釣り、である。


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