第162回 ホッピーオフミ&コミケ顛末記 1997.12.30
注:今回はうちわ受けが多数含まれていますがご容赦ください。
12月27日。私はJR常磐線の松戸駅に降り立った。ホッピーオフミ参加者の待ち合わせ場所である。
集合時間にはまだしばらくある。私は、夕闇せまる駅周辺をしばしうろつくことにした。
陸橋の上からあたりを見回すと……やはり、あった。菜園テスト研究所である。松戸にあるから、松戸菜園テスト研究所だ。高い塀を越えて、かすかに鳴き声のようなものが聞こえてくる。マンドラゴラの叫びだろうか。
中を見学したかったが、残念ながらその時間はないようだ。私は、待ち合わせ場所の「貧弱なテレビ」前へ向かった。
そうこうしているうちに参加者が集まってくる。相変わらず遅れているみやちょを見捨てて、私たちはたまき邸へ移動した。
料理は鴨鍋と牡蛎鍋。まるまる太ったうまそうな猫がいたが、残念ながらこれは食材ではないようだ。
そして問題のホッピー。この謎のドリンクを前から一度飲んでみたいと思っていたのだが……やはり、世の中には謎のままとどめておいた方がいいこともあるのだ。
で、このオフミであるが、やはり参加者に難があった。みやちょも書いていたが、基本的にボケの人物が大多数を占めたために会話がはずまざること山の如し。私・みやちょ・新屋・だーりんなどが、「誰かが話題を振ったらすかさずボケよう」と、虎視眈々と待ちかまえているのだ。誰も自分から話題を提供しようとしない。夜久さんなどがいれば、「やめろ」と言っても延々としゃべり続けるのだが。
その夜久さんであるが、どうやら仕事が立て込んでいて来られないらしい。ラッキ……いや、非常に残念であった。久しぶりにお会いしたかったのに。深夜になって電話乱入してきたので少しだけ話す。
せっかくだから、オフミの席で私が言ったギャグを一つだけ書いておこう。
「で、だーりんが怒りにまかせて毎日ボールペンをへし折っていたわけ」
「うむ、一本のボールペンだと折れるが、三本集まると折れない、というわけだな」
……字で書いてもあまり面白くないのはなぜだろう? その場ではウケたのに。
そんなこんなでたまき邸に一泊して、翌日は有明のコミケ会場へ。到着したのは昼過ぎだった。朝早くから大行列ができて、痴漢は出るわスリは出るわストーカーは出るわゲリラは出るわリトルグレーは出るわ猫は出るわ杓子は出るわで大騒ぎだったそうだが、到着が遅かったせいかすんなり会場へ入れた。
とりあえず、ふらふらと歩いているといきなり阿東さんに出会った。
「やあ」
「よお」
それだけ言うと、阿東さんは疾風のように去っていった。忙しそうである。
コミケ名物コスプレ軍団があたりをうろついている。最近の流行にうといので何のコスプレだかわからないのも多い。あの包帯巻いてるのは綾波だろうか? 志々雄真実のようにも見えるが。その他、アスカらしき人やシンジらしき人も大量にいたが、個人的にはゆーりさんに葛城ミサト、ワカスギさんに赤木リツコのコスプレをしてもらいたいと思うのだがどうか?
あと、京極夏彦のコスプレしている人もいたが、あれはひょっとして本人だったのかもしれない。
驚いたのは、不機嫌さんのコスプレをしている人がいたことだ。当然ながら、似非不機嫌さんもいた。本人は完璧に化けたつもりだろうが、似非の方は目がつり上がっていたり体の模様が違ったりするのですぐわかるのだ。
その後、知り合いのブースをまわって同人誌を何冊か手に入れる。買ったのは少なく、無理矢理もらってきたのがほとんどだ。こりゃ安上がりでいいや。
ミステリ関連の同人誌を物色しているとまゆみさんに出会う。さきほど入手したロリータ系同人誌を見せたら逃げていった。うーむ、残念。
その後も知り合いの女性に出会うたびにいろいろといたずらをしていたのだが、そのうちに若い女性は私の姿を見るだけで逃げていくようになった。条件反射の実験は成功である。
そんな実験をしているうちに打ち上げのお茶会の時間になった。会場の確保で多少手間取ったようだが、なんとか入れる店を見つけた。総勢17名。ほとんどが「極上パロディーズ」関係者である。よくもまあ、こんなに集まったものだ。
お茶会では、踊っていた人、眠っていた人、サインをしていた人、いきなり編集会議を始める人、あなたに似た人、函館の人などさまざまであった。私はといえば、青森から来た女子大生(特に名は秘すがハンドルは「組長」である)をいじめて遊ぶ。周囲からはセクハラだ幼児虐待だと非難囂々であった。この女子大生を拉致して大阪まで連れて帰ろうとしたのだが、今回も失敗。仙台オフミについで二度目の失敗である。
次回こそ必ず連れて帰る……そう心に誓いながら、私は大阪への帰途についた。
なお、今回のネタはすべてフィクションであり、実在の人物には一切関係ありません。
……と書いておけば大丈夫だろう。
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